国際ニュースをチェックしていると、ハバナ症候群という健康被害に接することがあります。ハバナ症候群とは、どんな症状の健康被害でしょうか。また、原因は時々、指摘されているように、マイクロ波なのでしょうか。ハバナ症候群について、簡単にわかりやすく解説します。
ハバナ症候群とは、どんな症状?
ハバナ症候群とは、どんな症状の健康被害なのかをまずチェックすると、
頭痛
耳鳴り
めまい
聴覚障害
視力低下
などの症状多く、ひどいケースとしては、脳損傷という症状も出ています。
ハバナ症候群は2016年、キューバの首都ハバナのアメリカ大使館に駐在する米中央情報局(CIA)の職員ら20人がこれらの健康被害を訴えたことから、「ハバナ症候群」と呼ばれるようになりました。
以来、
アメリカ国内では、首都ワシントンのホワイトハウス周辺やバージニア州の国防総省で、国家安全保障会議(NSC)当局者らが健康被害を訴えています。
また、米国外では、
中国
ドイツ
オーストリア
ロシア
ベトナム
インド
コロンビア
の大使館や総領事館で、ハバナ症候群の健康被害が出ています。米国との関係が良くない国が多いとの見方もありますが、それを裏付ける証拠はありません。
米NBCによると、被害者は200人に及び、
半数近くがCIA
約60人が国防総省
約50人が国務省
の関係者となっています。大使や公使、参事官らにはほとんど被害は出ておらず、諜報活動に携わる人物が標的になっている可能性が高くなっています。
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ハバナ症候群の原因は、マイクロ波?
ハバナ症候群の原因について、国務省から委託された米科学アカデミーが2020年12月、電磁波の一種であるマイクロ波などの高周波エネルギーの可能性が高いとの報告書を発表しましたが、断定には至っていません。
ロシアによる電磁波攻撃
コオロギの鳴き声に似た音による攻撃
殺虫剤散布による神経攻撃
などの説も出ていますが、いずれも特定されていません。
トランプ大統領は2017年10月、キューバによる犯行を公言しましたが、証拠は示さないままでした。
まとめ
原因不明のハバナ症候群について、バイデン米大統領は2021年10月8日、政権の最優先課題の一つとして取り組むとの姿勢を示しました。ただ、諜報機関で働く人物も被害者に多く、どこまで、原因が解明されるかは不透明な状況にもなっています。
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