道元禅師の名言「欠気一息あるべし」から、座禅のありかたを学ぶ

 欠気一息(かんきいっそく)あるべし—―。「道元『禅』の言葉」(境野勝悟著)を読むと、道元禅師のこんな名言(禅語)に出会います。静かな所で、身をきちんとととのえ、深く、すーっと息を吐き出す。プチ座禅でも立禅でもいいでしょう。息を吐き出すことに集中し、気持ちを落ち着かせることが大切です。

道元禅師の名言「欠気一息あるべし」から、座禅のありかたを学ぶ

 「道元『禅』の言葉」の中で、境野さんは、座禅の座とは座ることで、禅は、

 静慮(静かに思う)
 静観(静かに観る)

 だということを書いています。そして、曹洞宗の開祖、道元禅師がまず、座禅に入る前に、欠気一息を行うことを説いていると説明しています。

 この一息があるから、自分は生きている、この息が自分の人生をすべて動かしている、ということを、静かに思い、見つめなさい。道元禅師の教えはこんな点にあると、境野さんは書いています。何度、読み返しても、いい言葉です。

 自分の生を見つめ直すということでしょう。

道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)
道元「禅」の言葉 ゆっくり読む、ゆっくり生きる

 一流のスポーツ選手が試合前に、すーっと深呼吸しているのを目にすることもあります。心を落ちつかせ、本来の実力が出るようにする。座禅だけでなく、日々の人生の中でも、欠気一息が重みを持っていることがわかります。

 「われわれが発想の転換を行おうとするとき、どうしても必要なことは、それまで抱いていた着想や思考方法を、一度消してしまうこと。在庫を一掃するのである」

 「消すにはどうするか。日本でむかしから行われている方法で一番いいと思うシステムは、座禅である」

 脳波の研究やロケット開発などに取り組んだ工学博士の糸川英夫さん(故人)は、著書「驚異の時間活用術」(PHP文庫)で、座禅について、こう書いています。座禅のもう一つの良さと言えるでしょう。 

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まとめ

 禅寺で座禅を体験してみるのもいいでしょう。東京・谷中の全生庵(ぜんしょうあん)などでは毎日の早朝座禅会や、日曜座禅会が行われています。実際に禅寺で座禅をしたら、新しい発見もあるはずです。自己流の座禅とは大きく異なると思います。

 欠気一息あるべし、いつもかみしめたい、いい禅語です。

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