東京・西浅草の台東区中央図書館内には、池波正太郎記念文庫があります。「鬼平犯科帳」や「剣客商売」、「真田太平記」などの時代、歴史小 説を書いた作家の池波正 太郎(1923-1990年)の著書や年譜などが展示され、その生き方を理解することができます。なかでも、再現された書斎は興味深く見学することができます。池波正太郎にちなんだグッズも販売されており、おすすめです。
池波正太郎記念文庫 再現された書斎を見学
「私どもの仕事はなんといっても自分で自分とたたかわなくてはならない。『書けない』と思ったら、それこそ1行も書けないのだ」
池波正太郎記念文庫を訪れると、こんな池波正太郎の一文が目に入ってきます。
池波正太郎は仕事場を改築する際、最初は、和室にしようとしたそうですが、畳が敷いてあると、寝転ぶと思っているため、考え直し、洋室にしたといいます。
「なだめすかし、元気をふるい起こして、1行2行と原稿用紙を埋めていくと、いつしか没入することができる」。池波正太郎は続けて、こう書いています。作家として、執筆する際の苦悩がユーモラスに語られて、ホッと温かい気持ちになります。
書斎は10畳ほどの広さです。中央に机と椅子があり、机には、原稿用紙と万年筆、赤青の鉛筆が置かれています。江戸の地図、地誌、風俗史などがすぐ手を延ばせば取れる後や横の書架に並べられています。資料を読みながら、執筆する池波正太郎の姿が目に浮かんでくるようです。
江戸城を中心にした大きな江戸の町の地図が掲げられ、そこに、小説の舞台が説明されています。一気に、引き込まれます。
写真撮影は禁止のため、しっかり、自らの記憶に、この書斎の風景を刻み付けることが必要です。
池波正太郎記念文庫 グッズもおすすめ
池波正太郎記念文庫には、グッズも販売されており、おすすめです。
今なら、
2022年カレンダー(10月下旬から販売開始)
池波正太郎ガイドブック
江戸古地図で見る池波正太郎の世界鬼平・剣客・梅安の舞台
池波正太郎記念文庫・図録
鎧型文鎮(つばがたぶんちん・銅製)
などのグッズが販売されています。
なかでも、2022年カレンダーは、池波正太郎が描いた「ヨーロッパの風景」が各月に印刷されています。
池波正太郎に関するグッズは、こちらで紹介されています。
まとめ
東京に住んでいながら、知らない、行ったことのない場所は多くあります。私もたまたま、道具で知られる合羽橋を見学しようと、かっぱ橋道具街通りを訪れましたが、そこを歩いていると、以前から、訪れたいと思っていた「池波正太郎記念文庫」に行きつきました。ちょっと、不思議な感じでした。
「合羽橋なら、1日いてもあきない」
欧州に滞在していた際、友人である寿司屋の大将がこう言っていたのを思い出しました。合羽橋には、包丁や漆器、食器、陶器、陳列棚など様々な道具がそろっています。美味しい料理を作るには、道具を極める。こんな職人の気持ちが合羽橋の魅力につながっているのだろうなあ、と思いました。
あわせて読みたい
かっぱ橋道具まつり 2021年は新型コロナのため中止 2019年の概要で振り返る
池波正太郎著「鬼平犯科帳」 江戸の古地図を見ながら、この時代小説を読むと
日本橋べったら市 2021年は中止 2019年の概要で 日程や由来、見どころを振り返ると
関連記事広告