東京の歴史に関する街歩きは、とても楽しいものです。東京・中央区の明石町にある聖路加国際病院一帯も、その一つになります。蘭学事始の地や慶應義塾開塾の地、シーボルトの胸像、芥川龍之介の生誕地などの史跡を巡ることができます。1時間弱で歩くことができ、印象に残る歴史散歩になります。
東京歴史街歩き 明石町で史跡巡り
日本近代文化事始の地
明石町の聖路加国際病院近くに行くと、まず、目に入ってくるのが、「日本近代文化事始の地」です。
医師の前野良沢や杉田玄白が1771年、オランダ語の解剖書「ターヘル・アナトミア」を初めて読んだ場所だそうで、二人は、その正確さに驚き、1774年に、翻訳書の「解体新書」を完成しました。
当時、オランダ語のできる者は、長崎のオランダ通詞以外ほとんどおらず、二人も翻訳に苦労しましたが、この本の完成によって、日本で、オランダ書を学ぶ道が開けたといいます。「解体新書」ができるまでの苦労は、杉田玄白の「蘭学事始」に書かれており、まさに、「日本近代文化事始の地」になりました。
蘭学事始 (講談社学術文庫)
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慶應義塾開塾の地
また、この地に近い国際聖路加病院の敷地内で、福沢諭吉が1858年、蘭学の家塾を開き、慶應義塾大学の起源になりました。当時は、中津藩奥平家の中屋敷の中だったといいます。
立教学院発祥の地 女子学院発祥の地
この時代、大隈重信の東京専門学校(のちの早稲田大学)、新島襄の同志社大学など私学が相次いで設立され、多くの優秀な人材を輩出しました。近くには、「立教学院発祥の地」「女子学院発祥の地」もあります。
シーボルトの胸像
ドイツ人の医師、シーボルトは、蘭学の普及に大きく貢献しました。近くの「あかつき公園」に行くと、シーボルトの胸像が建っています。
シーボルトは文化6年(1823年)、オランダの商館医員として来日、長崎で診察にあたるとともに、鳴滝塾を開き、蘭学などを教えました。文化9年(1826年)には、商館長とともに上京、江戸の蘭学者を指導したといいます。
現在の明石町一帯は、アメリカ公使館があるなど外国人居留地だったため、日蘭の橋渡し役を務めたシーボルトの功績を称えて、胸像を建てたのだそうです。
芥川龍之介生誕の地
「芥川龍之介生誕の地」もあります。
龍之介は明治25年(1892年)、この付近で、乳牛牧場「耕牧舎」を経営する新原敬三の長男として生まれました。龍之介は生後7か月の時、家庭の事情から母の長兄芥川道章引き取られて、本所に移り、12歳の時、芥川家の養子になりました。東京帝国大学在学中から、文筆に専念し、「蜘蛛の糸」や「地獄変」、「羅生門」「河童」などの名作を残しました。
くもの糸・杜子春 芥川龍之介作品集 (角川つばさ文庫) [ 芥川 龍之介 ]
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東京・明石町へのアクセス
国際聖路加病院を目指すといいでしょう。
地下鉄なら
東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩7分
東京メトロ有楽町線新富町駅から徒歩8分
です。
バスなら
東京駅八重洲口から深川車庫行きで聖路加病院前で下車します。
まとめ
現地に足を運び、史跡を見たり、歴史の疑問を調べたりするといいでしょう。いい旅になります。
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