さんまの塩焼き・大根おろし添えは、欧州で食べることができるか? 日本の秋の味覚を欧州で探訪して

 秋の味覚の一つに、さんまの塩焼きがあります。大根おろしを添え、醤油をかけて食べると、とても美味しい料理ですが、果たして、ヨーロッパで、さんまの塩焼きを食べることはできるのでしょうか。

 残念ながら、答えは、「できません」です。なぜなのか、日本の秋の味覚を欧州で探訪してみました。

 まず第一の理由として、欧州では、さんまの水揚げがないことが挙げられます。さんまが獲れるのは、日本海を含む北太平洋です。日本、韓国、中国、台湾などアジア諸国、米国の西海岸などで、さんまが水揚げされます。

 しかし、大西洋など欧州の海には、さんまが生息しておらず、日常食として、さんまを食べる習慣もありません。

 欧州駐在中は良く、休日に、魚のマーケット(市場)に出かけましたが、売られていたのはサバ、サケ、スズキ、タイ、タラ、ヒラメ、ニシン、イカ、タコなどで、さんまを見かけることはありませんでした。

 時々、刺身でも食べられる新鮮なマグロが売られていて、驚いたことがあるくらいです。早速、買って、刺身を味わいましたが。スーパーでも、さんまが売られていることはありませんでした。

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 魚の料理法の違いもあるでしょう。フランス料理では、ムニエルが中心になります。魚をバターなどで焼いたうえで、濃厚なオリジナルソースをかけて、魚の味を楽しむことが多くあります。フライ料理も人気です。

 塩焼きを楽しむのは、ポルトガルが代表格でしょう。ただし、さんまではなく、イワシの塩焼きです。大きな皿に円形に、イワシの塩焼きが並べられることが多く、地元の人々は、ポルトガル民謡「ファド」を聴き、白ワインを飲みながら、イワシの塩焼きを食べます。

 ここには、魚の塩焼き食文化があるなあ、と感じたものです。

 大根おろしも、欧州で食べることはほとんどありません。欧州では、ちょっと小さいラディッシュが一般的ですが、「おろす」という感覚がなく、サラダなどで食卓を飾ることが多くなっています。大根おろしは、日本に、醤油があったからこそ、生きてきた料理になったのでしょう。

 欧州で、さんまの塩焼き・大根おろし添えを食べるには、日本料理のレストランに行くか、日本食料品店で、日本から空輸したさんまを買うしかありません。最近は空輸技術も向上して、新鮮なさんまを味わうこともできますが、時には、脂ののりが落ちたさんまになることもあります。そんな時は、一層、日本の味が恋しく感じられます。

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