「ご苦労様です」と「お疲れ様です」の違い、由来は? 使い分けて、ねぎらいの気持ちを表現

 ねぎらいの言葉は、細やかな心を込めて使いたいものです。「ご苦労様です」や「お疲れ様です」は、そんなねぎらいの代表的な言葉ですが、状況に応じて適切に使わないと、相手に不快感を与えてしまう恐れがあります。二つの言葉の違いや由来を調べてみました。正しく使い分けて、ねぎらいの気持ちを表現しましょう。

 ◇「ご苦労様です」と「お疲れ様です」の違いは?

 例解新国語辞典(三省堂)は、以下のように解説しています。

 「『御苦労様』は、目上の人が目下の者にかけることば。『おつかれさま』は目下から目上にも使える」

 このほか、ビジネスのマナーに関する本によると、

 「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人にかける言葉
 「お疲れ様です」は、対等の者同士、あるいは、目下の人が目上の人にかける言葉

 となっています。

 ◇こんなふうに使うと、大変!

 ですから、こんなふうに使うと大変です。

 「業績アップに貢献してくれました。ご苦労様」。

 社長が部下にこう言うのはいいでしょうが、「今日も1日、ご苦労様でした」と部下が社長に言うのは失礼にあたるということになります。

 この場合は、「今日も1日、お疲れ様でした」がより適切な使い方になります。

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 ◇由来は?

 どちらの言葉も由来ははっきりしていません。

 「ご苦労様」については、江戸時代、殿様が家来に、「あっぱれ。ご苦労であった」と言ったことが由来と多く考えられています。よく時代劇で耳にする言葉です。この殿様言葉がその後、延々と引き継がれてきたというわけです。

 一方、「お疲れ様」については、会社員が1日の仕事を終えて会社を出る時に、同僚が「お疲れ様でした」の声をかけたことにあるとする説があります。また、終日仕事が続くテレビ業界などでは、朝、昼、晩の区別が難しいため、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の代わりに、「お疲れ様です」を使ったとの説があります。「ご苦労様」に比べて、新しい言葉です。
 
 ◇過去、いろいろに使われる

 ですから、ビジネスの世界では、

 「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人にかける言葉
 「お疲れ様です」は、対等の者同士、あるいは、目下の人が目上の人にかける言葉

 ですが、過去の歴史を見ると、この二つの言葉がいろいろに使われてきたことがわかります。こんな具合です。

 ・「ご苦労様」は江戸時代、使われていなかった。実際に使われていたのは、「大儀であった」。
 ・江戸時代、「ご苦労様」を目下の人が目上の人に使った。
 ・「お疲れ様」も目上の人が目下の人に使った。
 ・ねぎらいの言葉は、目下の人が目上の人にかけるのはおかしい。従って、「お疲れ様」も使えない。
 ・「お疲れ様」が使われるようになったのは、明治、大正時代から。

 などです。今と、全く違った使い方に驚くばかりです。

 ◇まとめ

 「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人にかける言葉
 「お疲れ様です」は、対等の者同士、あるいは、目下の人が目上の人にかける言葉

 は、ビジネスの場で、うまく使い分ければいいでしょう。ただ、二つの言葉がいろいろに使われてきたことも頭に入れて置くと、状況によっては、「ありがとう」など感謝の言葉に置き換えることもできます。

 私は、「ご苦労様」「お疲れ様」の「様」について、書く時は、「さま」とひらがなにしています。画数が多いと、硬い印象になるからです。言葉は時代の中で、人々の生活の中で変わるものです。そんな中で、私の小さなこだわりがあってもいいと思っています。

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