歩くことにはどんな効果があるのか――。日々、歩く中、そんなことを医学的に知りたくて、著書「病気の9割は歩くだけで治る!」を読み返しました。兵庫県尼崎市でクリニックを開業する医師の長尾和宏さんが様々な患者と接する中で、感じたことを書いた1冊です。
本を読んでの感想をまとめると、歩くことの大切さやメリットを実感することができます。
歩くことの大切さやメリットを実感! 「病気の9割は歩くだけで治る!」の感想から
「歩くということがすっかり忘れられている時代だからこそ、『病気の9割は歩けば治る』というくらいの気持ちで歩いてほしい。そう思って、あえてこのタイトルをつけさせていただきました」
「『よく歩いてくださいね。歩くだけでグングン良くなりますよ』。来る患者さん来る患者さんに、そう伝えている毎日です。『治る』は言い過ぎに当たるとすれば、歩けば確実に良くなる。医者いらずになる。これは確信をもって言えます」
長尾さんはこう書いたうえで、本来、医療は、
食事療法
運動療法
薬物療法
があるべきなのに、ここ数十年、薬が一番重視されていることを指摘、身近な運動として、もっと歩くよう勧めています。この認識はまさに、その通りでしょう。
歩けば、
糖尿病、高血圧、脂質異常症の生活習慣病
認知症
うつ病
不眠症
逆流性食道炎
喘息
リウマチ
などに効果があることを強調していま す。運動不足が解消されるだけでなく、幸せホルモンと言われるセロトニンなど脳内ホルモンも増えるため、病気予防に効果があるとしています。
生活習慣病を予防すれば、ガンも予防できるといいます。
江戸時代の庶民は1日3万歩
この本の中で、特に面白かったのは、江戸時代の庶民が1日3万歩を歩いていたということです。明治、大正時代の人たちもよく歩いていて、当時のサラリーマンは、江戸時代の庶民と同じくらいの1日3万歩を歩いていたそうです。
以前、読んだ「歩くとなぜいいか?」(大島清著)でも同じように指摘されていました。交通機関の発達など便利になったからこそ、歩かなくなり、病気になる。すべてが当てはまるわけではありませんが、こんな「現代病」の構図が背景にあるようです。
「養生訓」には、歩くことの大切さが書かれていないのはなぜ?
長尾さんは、江戸時代の儒学者・本草学者の貝原益軒が書いた「養生訓」を読み、歩くことの大切さを訴える個所を探したそうですが、この部分がすっぽり抜け落ちていることを書いています。
なぜでしょうか?
長尾さんは最初、疑問に思ったそうですが、江戸時代、歩くことは至って普通のことだったからこそ、歩くことを取り上げる必要がなかった、とその疑問を氷解させています。
「平成の養生訓」
現代にあって、歩くことは欠かせない。貝原益軒の「養生訓」に、この本の内容である歩くことを足せば、「平成の養生訓」ができる、と長尾さんは結んでいます。
まとめ
本を読むと、歩く楽しみが増えます。ウォーキングが身近なものになってきます。
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