今年の夏休みの旅行は、「ファーストクラス」のツアーバスが人気に バス会社や旅行会社が、ゆったり空間の座席や豪華な内装、サービスを兼ね備えたツアーバスを提供

 まもなくやって来る夏休みでは、「ファーストクラス」や「ラグジュアリーバス」と銘打った貸し切りバスによるツアーが大人気となりそうです。バス会社や旅行会社が、ゆったり空間の座席や豪華な内装、独自のサービスを兼ね備えた高級バスツアーを提供しているためです。家族連れはもちろん、高齢者や訪日外国人も大いに利用することになりそうです。

 高速バス大手のウィラー・アライアンス(東京と新宿区)は4月末から、「レストランバス」=写真は、同社のホームページから=を新潟県内で走らせています。バスは2階建てで、1階に厨房、2階に、25人が着席できる座席とテーブルがあります。2人のシェフがバスに乗車、1階で調理し、2階のお客さんに食事を提供するシステムです。

 ツアーバスは、酒蔵や農園などを巡ります。お客さんは、移動中、景色を見ながら、食事を楽しみます。一流シェフが、旬の食材を利用し、主に、フレンチ料理を提供します。土曜日ランチプラン(税込15120円)、土曜日ディナープラン(同12960円)、水曜日ナイトプラン(同4000円)、水曜日ランチプラン(同6000円)などがあります。

 5月初旬、同社の社長はテレビ番組で、「バスは提供するので、ツアーのコンテンツ(内容)は各地方で考えてほしい」と語っていました。新潟でのツアーは新しい高級ツアーの第一歩で、今後、同じようなツアーが日本各地でも行われそうです。

 東急バスは、一両の座席数を24席に半減させたバスを導入しました。革張りの座席は3列独立する形となっており、1人あたりの車内空間は、ゆったりしたものになっています。すでに、旅行会社が、このバスを使用して、相撲部屋見学、横浜クルージング、伊豆観光などのツアーを組んでいます。

 京王電鉄バスも今春から、座席を3列にし、着替え台を兼ね備えたトイレや、土産物保存のための冷蔵庫を完備したバスを導入しました。

 一方、旅行会社も、ツアーバスの高級化を進めています。クラブツーリズムは4月から、建築家・隈研吾氏監修の高級バスを導入しました。ホームページによると、ファーストクラスのバス「ロイヤルクルーザー」の6つのおもてなしとして、眺望の良い大きな窓と広々としたゆとりのバス座席、安心のトイレ付きバス、傘やひざ掛けの貸し出しサービス、スリッパやおしぼりの提供、個人用ヘッドホンの提供、専属バスガイド、を規定。3タイプのバスがあり、最高級のバスは、横3列で、21人乗り、化粧台付きトイレ完備、コンセント設置、シートの横幅は505ミリとなっています。

 JTBロイヤルロード銀座も、「ラグジュアリーバス」で巡るツアーを提供しています。バスは、1列2席の12人乗り、1列3席の22人乗り、1列3席の24人乗り、などとなっています。シートは本革で、全席にコンセントを完備、WiFiサービスもあります。

 バスツアーというと、窮屈というイメージもありますが、今年から、そんなイメージも徐々に、払しょくされていきそうです。