
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)というマダニ感染症が毎年夏にかけて増えます。SFTSの感染経路はどうなっているのでしょうか。また、SFTSの予防法はどうでしょうか。夏休みになって、子供たちの野外活動が増え、マダニに接触する危険性があるだけに、注意が必要です(トップのイラストは、「いらすとや」のものです)。
SFTS(マダニ感染症)の感染経路は? SFTSの予防法は? 夏休みの野外活動で注意が必要!
ホルコムです
感染者の報告が増えています⤴マダニが媒介する感染症SFTS
今年これまでの患者数は124人
西日本中心に28府県にのぼりますなぜ“マダニの感染症”増加❓
感染ルートは❓
マダニにかまれたら❓#ニュースのハテナ にお答えします!
動画は👉 https://t.co/Ibu27ZXKcP#おはよう日本 pic.twitter.com/n7c0mWiAO0— NHK おはよう日本 公式 (@nhk_ohayou) August 13, 2025
SFTSというマダニ感染症とは?
まず、SFTSというマダニ感染症とは何かをチェックしてみましょう。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の感染症情報提供サイトなどによると、SFTSは、2011年、中国の研究者らによって発表されました。主に、
フタトゲチマダニ
タカサゴキララマダニ
キチマダニ
というマダニにかまれて、うつる感染症です。
日本でのSFTS感染者は?
国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、2013年1月、SFTS感染者が見つかって以来、これまでに1058人が感染し、うち116人が死亡しています。2016年夏には、西日本の50歳代の女性が、SFTSを発症していたとみられる野良猫にかまれて感染し、死亡したことでクローズアップされました。ウイルスが哺乳類から人に感染した初めてのケースで、その危険性が改めて注目されました。
感染者は夏場を中心に出ています。感染者は西日本に集中していること、高齢者は体力がないことから重症化し、死亡するケースがあるのが特徴です。
SFTSの潜伏期間
潜伏期間は、1週間から2週間です。
SFTSの症状
風邪に似た症状がまず出て、
嘔吐
下痢
筋肉痛
けいれん
皮下出血
下血
などが起きます。さらに重症化すると、
意識障害
呼吸困難
血小板・白血球の急減少
などの症状も出て、1週間程度で死に至ることもあります。
SFTSの治療
SFTSを治す薬やワクチンはなく、治癒力を高める対処療法を行います。
SFTSの感染経路は?
SFTSとは、どんな感染症かを見てきましたが、危険なSFTSに感染しないため、感染経路に注意することが重要です。
SFTSは主に、マダニにかまれることで感染します。具体的には、森林や草むらに生息するダニが、SFTSに罹った野生動物の血を吸い、さらに、このダニが人をかむことで感染します。これらのダニは、家で生息するダニとは異なります。
人から人にうつったケースもあります。50歳代の女性は、ほ乳類の野良猫から初めて感染しましたが、ほ乳類から感染する危険性は高くないとみられています。ただ、衰弱した野良猫など野生の動物にはあまり触らないよう注意することが必要です。
屋内で飼っている猫は、屋外のマダニに接触する機会はありませんから、あまり、神経質にならなくてもいいでしょう。
SFTSの予防法は? SFTSに感染しないために
夏休みで、野山に出かける機会も増えます。マダニは草むらに多く生息していますから、以下の点に気を付けたいものです。
まずは、肌を露出させないことです。
・帽子をかぶる。
・長袖を着る。
・長ズボンを着用する。
・マスクをする。
・首にはタオルやスカーフをまく。
・軍手など手袋をする。
・シャツの裾はズボンの中に入れる。
・長靴をはき、ズボンの裾を長靴の中に入れる。
といった対策が重要です。少し暑いかもしれませんが、マダニ対策と考えて我慢しましょう。
そして、帰宅する前に、以下の点にも気をつけることが大切です。
・着衣はよくはらって、付着したマダニを落とす。
・着衣にマダニが付着していたら、はしなどを使って取り除く。
マダニが着衣に残っていると、1週間程度、生き続けます。入念にチェックするといいでしょう。
特に注意すべき点は
万一、マダニが肌に付着していたら、無理やり取り除こうとしないことです。マダニの頭の部分が残ってしまいます。病院に行って除去してもらいましょう。
虫よけスプレーも効果があります。
まとめ こぼれ話
【マダニが媒介する感染症に注意!】
マダニに刺されるとSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などに感染することがあります。野外活動のときは以下の対策が有効です。
・肌の露出を少なくする
・明るい色の服を着る
・虫除け剤を使用するhttps://t.co/nOISlqKQoYhttps://t.co/QnkLqrJ54R pic.twitter.com/7MJjEy7cRf— 厚生労働省 (@MHLWitter) August 8, 2025
もう30年以上前になりますが、中欧に駐在していた時、「クーランチ」(ハンガリー)、「ツェッケン」(オーストリア)と呼ばれるマダニが毎年夏になると、小中学校で話題に上っていました。
「頭に付着すると、ドリルのように脳の内部へと侵入する」と言われ、ウィルス性中枢神経感染症として恐れられていました。当時、子供たちは、帽子を被って通学したため、これらのマダニにかまれて感染症を起こすことはありませんでしたが、マダニの恐ろしさを感じました。SFTSにも十分に対策を講じて臨みたいものです。
あわせて読みたい
海外生活の注意点 インドの場合 デング熱などの感染症に注意
まん防とは何の略で、どんな意味、内容? 緊急事態宣言との違いは?
インド渡航、駐在には予防接種が必要? 旅行、赴任前の不安を解消!
インドの生水が危険なのはなぜ? 水道水もたびたび汚染の恐れ
あわせて読みたい
朝日新聞デジタル 紙面との違いは? レビューでメリット、デメリットを比較
就活におすすめの新聞は、どこの新聞? いつから読むべきか?
就活のための時事問題対策 新聞のニュース記事で勉強 読まないと不利にも